手頃な価格とトレンドを押さえたデザインで人気を集めている海外通販サイト「shein(シーイン)」。中高生から大人まで幅広い層のユーザーに支持され、日本でもすっかりおなじみの存在になっています。
しかし近年、「sheinの服にトコジラミがついていた」「開封したら虫が出てきた」など、不穏な話題がSNSを中心に拡散されています。一部では「shein=危険」というイメージを持つ人も出てきており、実際のところどうなのかが気になるところです。
そこで今回は、sheinの危険性に関する背景を整理しつつ、特に注目されている「トコジラミ」に焦点を当てて解説します。
■sheinの衣類を通じて懸念されるトコジラミの危険性とは?
ネットで広がる不安の声は本当なのか?冷静にリスクを見ていきましょう。
●輸入衣類に潜む「トコジラミ」のリスク
sheinに限らず、海外製の布製品には「トコジラミ」が付着している可能性があります。トコジラミ(南京虫)は人の血を吸う昆虫で、特にベッドや布団、衣類などに潜んで人の体温や呼気に反応し、夜間に活動する習性があります。
現在、欧米諸国や韓国を中心にトコジラミの発生が再び増加しており、空港・ホテル・飲食店での持ち込み・感染が報告されています。この流れの中で、「輸入衣類も注意が必要」という意識が強まりつつあります。
●なぜsheinが特に注目されているのか
sheinのリスクが取り沙汰されやすい理由には、以下のような背景があります。
- ユーザー数が非常に多く、SNS投稿が拡散されやすい
- 海外倉庫→国際便→自宅配送という物流構造上、長距離移動がある
- 大量生産・大量出荷による衛生管理のばらつきが懸念される
実際、X(旧Twitter)やInstagramでは「開封したら虫が出てきた」「服に黒い点がついていた」「かゆみが出た」といった声が見られ、sheinというブランドが象徴的に取り上げられるようになっています。
■実際にSNSや口コミで見られるトコジラミに関する声
被害の真偽はさまざまですが、共通するのは“輸入品への不安”です。
●「服に虫がついていた」という声
実際に「袋を開けた瞬間に虫が出てきた」「縫い目に小さな虫がいた」といった報告は散見されます。特に黒い点のような小さなシミや、不自然なにおいがある場合には注意が必要です。
ただし、すべてがトコジラミとは限らず、保管中に混入した別の虫である場合もあります。
●肌トラブルの報告も多数
「sheinの服を着たらかゆくなった」「赤く腫れた」という投稿も見られます。これはトコジラミによる刺咬の可能性もあれば、残留薬品や素材アレルギーによるものの可能性もあり、断定は難しいですが、不安を感じさせる要因にはなります。
●トコジラミの被害が家庭全体に広がるリスク
トコジラミは1匹でも持ち込まれると、室内で繁殖する恐れがあります。布団、カーテン、カーペット、ソファなどあらゆる布製品に潜伏し、夜間に吸血します。こうなると駆除は困難で、数万円〜十数万円の駆除費用がかかることもあります。
■sheinで購入した衣類に対するトコジラミ予防策
届いた衣類をすぐ使う前に、簡単なチェックと対策を。
●1. 屋内に持ち込む前に梱包を確認
届いた段ボールやビニール袋は、できれば玄関やベランダで開封し、虫や異常がないか確認します。室内にそのまま入れずにチェックするだけでも予防効果は大きくなります。
●2. 衣類は必ず洗濯・乾燥してから着用
sheinの商品に限らず、海外製の衣類は一度洗ってから着るのが基本です。可能であれば乾燥機(高温モード)にかけることで、トコジラミの卵や虫自体を駆除できます。50℃以上で20分以上の熱処理が有効です。
●3. 梱包材はすぐに処分・密閉保管
段ボールやビニール包装は使い回さず、すぐに密閉ゴミ袋に入れて捨てるか、屋外で保管しましょう。虫の持ち込みを防ぐ基本です。
●4. 衣類の保管は密封袋やクローゼットで
届いた衣類をそのまま床や布団の上に置かず、密封袋に入れるか、洗濯後にクローゼットで保管することで、家庭内への拡散リスクを防げます。
■トコジラミが疑われるときの初期対応
「もしかして…」と思ったら、すぐに行動を。
●症状が出た場合は皮膚科へ
赤い斑点状のかゆみ、連続した虫刺され痕などがある場合は、皮膚科で診察を受けましょう。早期治療が大切です。
●虫を見つけたら捕獲・写真撮影を
小さな平べったい虫や、黒い斑点(排泄物)があれば、ティッシュなどで捕獲して写真を撮っておくと、専門家の判断材料になります。
●専門業者への相談も検討
市販の殺虫剤では駆除が難しい場合、トコジラミ駆除を専門とする業者に相談しましょう。放置すると被害が広がるため、早めの判断が重要です。
■sheinだけが問題なのか?他ブランドとの比較
輸入品全体に潜むリスクを見逃さない視点も大切です。
ZARA、H&M、Temu、AliExpressなど、海外ファッションブランド・通販サイトでは、shein同様に国際輸送の工程があります。つまり、**shein=特別に危険というわけではなく、「輸入衣類全体に一定のリスクがある」**というのが正しい見方です。
重要なのは、どのブランドであっても「到着後に自分でチェック・洗浄・処理をする」という意識を持つこと。商品選びの前に、使用方法と安全性について知ることが、快適な買い物体験につながります。
■まとめ|sheinは便利だけど、安全対策も忘れずに
sheinは安価で可愛いファッションが揃っており、多くの人にとって便利で楽しい通販サイトです。しかし、海外製品である以上、物流や保管環境の違いからトコジラミのような衛生リスクが生じる可能性も否定できません。
「怖いから使わない」のではなく、「正しく理解して、適切に対処する」ことが重要です。開封時の確認、洗濯・乾燥、梱包の処分といった基本を押さえることで、大きなリスクを回避できます。
sheinに限らず、海外通販を安心して楽しむためには、少しの意識と手間が安心につながるということを、ぜひ覚えておいてください。