パンやクッキーなどに使われているショートニング。
ショートニングは体に悪い、危険性があるから避けた方がいいと聞いたことはありますか?
ショートニングが危険と言われる理由に、トランス脂肪酸が関係してきます。
この記事では、
- ショートニングの危険性
- トランス脂肪酸について
- ショートニングが含まれる食品
などについて解説していきます。
ショートニングとは?
ショートニングとは主に植物油を原料として作られたクリーム状の食用油脂で、パンやお菓子に使われています。
植物油や菜種油、魚油などに水素ガスや窒素ガスが添加されてクリーム状に製造されたものがショートニングになります。
ほとんど水分を含まず、白くて無味無臭なので素材の風味を活かしたい時などに利用されることが多いです。
ショートニングを利用すると食感が軽くなるのが特徴で、パンはふんわりと、焼き菓子はさっくりと仕上がります。
バターとの違い
植物油脂を主な原料としているショートニングと違い、バターは主に牛乳を原料とした動物性油脂です。
バターはやや黄色く、「有塩バター」など食塩が添加されているものもありますよね。
焼き菓子に使うとしっとりとした食感になりますし、無味無臭のショートニングとは違い、バターの風味もよく感じられます。
マーガリンとの違い
マーガリンから水分添加物を除いて純度の高い油脂にしたものがショートニングと考えられています。
ですのでマーガリンとショートニングには共通点も多く、どちらもトランス脂肪酸が含まれています。
このトランス脂肪酸が身体に悪いというのは聞いたことがあるのではないでしょうか?
トランス脂肪酸がショートニングの危険性を危惧されるひとつの原因となっています。
そちらについて次の項目で解説していきます。
ショートニングに危険性はあるの?
ショートニングは危険、体に悪いと言われる理由が「トランス脂肪酸」を含んでいるからと言われています。
ショートニングを多量に摂取すると危険が及ぶ可能性があります。
トランス脂肪酸とは
トランス脂肪酸は脂肪酸の一種で、ショートニングを加工する際、水素添加する時に脂肪酸が一部トランス化して「トランス脂肪酸」が出来てしまいます。
トランス脂肪酸を多量摂取すると・・
- 心臓疾患
- 動脈硬化
- アレルギー
- 認知症
などを引き起こす危険性があります。
トランス脂肪酸を摂取すると、血中の悪玉コレステロールが増加するため、上記のような疾患を引き起こしてしまう危険性があると考えられます。
WHOの発表によると、世界中で年間50万人がトランス脂肪酸による心臓などの病気でなくなっているそうです。
また、トランス脂肪酸が増えると認知症やアルツハイマーを発症するリスクが上がるという研究結果もあります。
以上のことからトランス脂肪酸を摂りすぎるのは非常に危険だということがわかりますね・・。
パーム油とは
トランス脂肪酸を含まないとして、ショートニングの原料に「パーム油」が使われていることがあります。
トランス脂肪酸ゼロを謳う製品はパーム油が使われていることが多いです。
しかしパーム油にも問題があります。
パーム油は「アブラヤシ」という植物から採れる植物油で、主な生産国はインドネシアやマレーシアの熱帯雨林の地域です。
遠い国からの長期間の船での輸送による酸化を防ぐために、酸化防止剤としてBHA(ブチルヒドロキシアニソール)という食品添加物が用いられています。
なんとこのBHAは、1998年に食品衛生調査会で、ラットに対する発がん性を確認しているのです。
パーム油は原材料名の欄には「植物油」「植物油脂」などと表示されているため、知らずしらずのうちにたくさん摂取してしまっている可能性もあるのです。
ポイント
もうどうしたらいいのかわからなくなりそうですが・・
市販の食品を食べないというのは無理がありますので、食べすぎない摂りすぎないようにしていくことが必要です。
ショートニングは海外では規制されているって本当?
海外では規制されている国が増えている現状です。
農林水産省のページでは下記のように記載されています。
世界保健機関(WHO)は、生活習慣病を防ぐための目標として、食品中のトランス脂肪酸から摂取するエネルギー量を、総摂取エネルギー量の1%よりも少なくすることを示しています。また、油脂を加工するときにできるトランス脂肪酸を減らすための行動計画「REPLACE」を公表し、2023年までにトランス脂肪酸の低減を進めるよう各国政府に呼びかけています。
農林水産省
食品へのトランス脂肪酸の含有を完全に禁止している国や地域はありませんが、トランス脂肪酸の上限値を設定したり、食品中のトランス脂肪酸の含有量の表示を義務づける国が増えています。
しかしながら日本では規制はされていません。その理由として日本人のトランス脂肪酸摂取量は総摂取エネルギー量の0.3%ほどと、先程引用したWHOの目標である「総エネルギー量の1%未満」に収まっていることから規制の必要がないとされているからです。
ですが日本人の食事も欧米化していますし、規制されている国もあることから、摂取のしすぎには注意が必要です。
ショートニングが含まれる食品
トランス脂肪酸を多く含むショートニング。
そのショートニングが含まれる食品には・・
- パン
- クッキー
- アイスクリーム
- ケーキ
- ドーナツ
- フライドポテト
- フライドチキン
様々なものにショートニングが使われていますね。
パンやクッキーの食感をよくするためや、アイスクリームのコクをだすためなど。
揚げ油に使えばカラッと揚げることができ、おいしさを保つことが出来ます。
市販のクッキーなど原材料名の欄を見てみるとショートニングと書いてあるのがすぐにみつけられると思います。
ショートニングは安価な上、工業的に生産される為品質のばらつきがありません。ですから多くの加工食品に利用されています。
買い物の際は、原材料名の欄も確認するようにしてみるといいですね。
まとめ
ショートニングの危険性について解説しました。
ショートニングの危険性
- トランス脂肪酸を多量摂取すると様々な疾患のリスクがある
- ショートニングの原料のパーム油にも発がん性などがある
ショートニングが含まれる加工食品は多く全て食べないというのは難しいことですが、消費者側が選ぶことはできるので、ショートニングの危険性についてよく理解して気をつけていくようにしましょう。